矢柴俊博さんインタビュー
今回、主演を務める矢柴俊博さんは埼玉県出身。NHK連続テレビ小説「まんぷく」やTBS日曜劇場「グッドワイフ」をはじめ、数多くの映画・ドラマ・CMに出演されています。
― 役名を教えてください。
小林という役です。東京の広告代理店で働いていたけれど、どうやらあまりうまくいっておらず、実家の農業を継いでいた弟が病気で倒れて、宮崎に戻ってきた。そしたら、昔はずいぶん活気があった奈良町温泉が寂れていく様子を目にする。そこで、町おこしをしようと、地元の象徴でもあるたのかんさあをモチーフにした「たのかんさあレンジャー」を結成して奮闘する男です。
― どんなキャラクターですか。
普段は情けない男なんですけど、ものをつくったり、ショーをしたりするのが好きで、まるで別人のようにスイッチが入る。そこだけに、彼の情熱が集約されているような、ユーモアあふれる二面性を持ったキャラクターですね。その分、アップダウンが激しく、非常にタフな役ですね(笑)。
― 稽古はいかがですか。
台本という2次元の世界をどうお客様に見せるか、一つの3次元の舞台に作り上げていくのか、みんなで試行錯誤しながらじっくり作っていく、というのがこの「新 かぼちゃといもがら物語」の土地に根付きながら作るスタイルと非常に合っていて、すごく実りのある時間を過ごせているなって感じます。そして、懐かしい感じがしますね。20代で劇団をやっていた頃、完成形ってどこにあるんだろうって思いながら、みんなでその完成形を探した、そんな初々しさと若々しさを感じられるすごく良い稽古場だなって思います。しかも今回は、1ヵ月滞在して、ちょっとずつ土地の空気を感じながら作っていっている実感があって、初めてのような感覚ですね。
― 立山さんの演出はいかがですか。
粘り強い方ですね。するっと通過してしまいがちな台本に書かれた言葉を、一言一句実現していく、諦めずにじっくりやっていく、そして役者から出てくるものを待ち続けてくれる、そういう演出家ですね。
― 宮崎はいかがですか。
初めてなんですよね。宮崎のイメージはありましたけど、実際に来てみて穏やかな印象を受けました。気候も、街並みも人のあり方も。この宮崎の中で、みんなが相互に関わり合いながら、そこで満ち足りている、世界が成り立っているようなそんなおだやかさを感じますね。
― 作品にもそういった感じが表れていますか。
そうですね、戌井さんはそういうところをうまくすくいとって書かれているなって思いましたね。お米があって、美味しいお肉・野菜があって、みんなが暮らしを楽しみながら過ごしている、そんな感じがありますね。
― 最後に、お客様に一言お願いします。
今回舞台となる地域は、宮崎の中心部よりも山側の温泉があるところで、宮崎県の皆さんにご覧いただいても「こんな宮崎もあるんだ」っていう気付きがあると思います。僕らにとってはいろんな発見の連続ですけれど、宮崎の皆さんにとっては再発見の面白さがあると思うので、ぜひ観に来ていただきたいです。宮崎はこんなに豊かで面白いところなんだなってことを伝えたいし、今作品は宮崎だけじゃなく九州のいろんなところからも俳優が参加していて、九州にもこんなに面白い俳優さんがいるってことを知って、楽しんでいただければなと思います。
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